今回の旅の入り口は松山空港。空港が近づくにつれて瀬戸内海に浮かぶ島々が見えて、ちょっぴり故郷に戻った感じがするのは、小さな頃に良く瀬戸内海の島々や四国に渡って遊んだことがあるからだろうか。空港で車を借りて真っ先に向かったのが道後温泉。
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松山市街を車で走らせていると山頂に見える松山城、とても見晴らしが良さそうだったのとお昼を食べた直後に温泉に入るのはちょっとナンだねということで腹ごなしも兼ねてお城へ。松山城のある勝山山頂へは徒歩も可能だけれど、ロープウェイやリフトが用意されていてノンビリと登っていくことができる。残念ながら火災などに見舞われて復元されたものなのだが、元は加藤嘉明が建てたという城はあまり背は高くないが、バランスの整った美しいお城。ヨーロッパの古城も良いけれど、要塞としての堅牢さと日本らしい様式美を兼ね備えた城って良いなぁと思う。
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路面電車が走る松山市街の外れ、とは言ってもその路面電車の終点に突然現れる歴史ある道後温泉の本館。こんなところに温泉があるんだろうかって場所。受付に行くと細かく分かれた料金表、こんな感じで入浴コースを選べるのだ。
無色透明でとても良く温まるいいお湯、昔ながらの銭湯といった雰囲気もいい。しかしとにかく人が多い…そしてこの手の立派な温泉にいがちな薀蓄や説教を垂れるおじさん…。残念だけれど雰囲気を楽しんだら、早々と退散って感じ。
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道後温泉と松山城の移動には路面電車に乗ってみた。出発時のウィ〜ンっていうあの不思議な音は、故郷の岡山にもあった路面電車のものと同じですごく懐かしい。かなり古い電車が現役で頑張っているようで床が木でできてるってのも良い感じ。また、ぼっちゃん列車というのが走っていて、子供が「ぼっちゃん列車だぁ」なんて声を上げていたのをみると、地元でも親しまれているのかなと思う。
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路面電車の駅のすぐそばで見つけた「労研饅頭のたけうち」ってお店。労研饅頭って一体なんだろうっていうのと、カラフルなお饅頭に目を奪われておやつに購入。よもぎあんこのソレは、うっすらと緑色をしていて、普通のパンと蒸しパンや饅頭の間くらいのふっくら感。控えめな甘さで懐かしい味。それにしても、「労研」って名前はナンだろうと調べてみたら、ホームページがありました。それによると、倉敷の労働科学研究所で中国の饅頭(まんとう)を日本人向けに改良して作ったのが始まりとか。全国発送もできるそうなので気になる方はぜひ。
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今日のお宿は、四万十川を見下ろす高台に立つホテル星羅四万十。コンクリート打ちっぱなしの建物が目を引くが、そこから見える四万十川の景色もなかなか素晴らしい。夕食に出された揚げたての岩のりの天ぷらが美味しかった。黒緑色で楕円形に揚がったソレは説明を受けるまで不気味なモノでしかなかったが、口に入れると意外なほどふっくらとしていて独特な香りが広がって美味。川海老やゴリの天ぷらなど地のもの使った料理も悪くない感じ。このホテルでは用井温泉という冷泉を温めて使っている、温泉は無いと思っていたのでちょっと嬉しい(笑)。ヒドロ炭酸ナトリウム泉という聞きなれない泉質のお湯は肌に優しい感じ。石造りの浴室は清潔感があってサウナがあったのも嬉しかった。
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子供の頃にやったすごろくみたいなゲームで、日本の珍しい駅名を巡る旅みたいのがあったのだけれど、その四国編にこの半家(はげ)って駅があるのを思い出したのは、地図を見ていたらホテルのそばにその名前を発見したから。というわけで翌朝少しだけ寄り道をしてみた。
国道と四万十川と一緒に沿うように走る鉄道。小さな半家駅という看板が見えて車を止めてみた。正面の犬がしきりに吼えるのは見慣れぬヤツが車を止めたからか(笑)。階段があってそこを上っていったらホームに直結していた。無人の本当に小さな駅で、この手の「珍しい」駅にありがちな落書きとかもなく不思議な静寂に包まれている感じ。新しい駅名の看板と千羽鶴がなかったら間違いなく廃線と思ってしまうような駅。
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四万十川沿いには、欄干がなく道幅の狭い橋がいくつも架かっている。これは増水して沈んでしまっても抵抗を少なくして橋が壊れてしまうのを防ぐためのもので、だから沈下橋と呼ばれているのだそう。実は徳島でも同じような作りの橋があるのだそうで、潜水橋と呼ばれているのだとか。欄干がなくて細いから車が通るとちょっと大変、端っこに寄って車がそろりと横をすり抜けていくのを待つしかない。
長生、岩間、口屋内、佐田などのいくつかの沈下橋を見たけれど、それぞれに趣が違ってなかなか面白い。もともと沈むことを前提として作られているのか、水面からの高さもあまりないので、夏場は子供達がココから川にジャンプしたりする様子が写真に撮られていたりするが、それも良くわかる。まだ暖かいこの時期でも水はかなり綺麗で、冬場はさらに透明度が増すのだそう。ところで、今年は既に 4回もこの橋が沈んだのだそう。増水したら渡るの怖いだろうなぁと思ったりもする。
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舟母というのは、かつて四万十川の輸送手段だった帆掛け舟のこと。山からたくさんの(千束)木炭を積んで運んだことにちなんでついたとか。今は、道が整備されて沈下橋が架かったこともあってそういった手段としての役割を終えて、7年ほど前に観光向けとして復活したのだとのこと。
四万十川は、実は河口から 10キロ近くまでは海水が混じる汽水域で、さらに下流から中流数十キロまではその勾配が 1/1000 という大変なだらかな河川。だから、季節や朝夕で吹く風をうまく利用して上流からは木炭を下流からは日用雑貨などを積んで、このような帆掛け舟で運ぶこっとができたのだとか。現在の舟母は帆の高さが 7メートルほどなのに対して、当時は 10メートル、舟ももう少し大きいものだったのだそう。
この日は、本当に無風で残念ながら帆を利用して舟を走らせることはままならなかったのだけれど、逆に鏡面のように静かな水面を舟が滑るように行く様はなかなか風情があっていい感じ。水中に現れる鮎や鯉、岩場で甲羅を干している亀を見たりしながらのノンビリ旅。遠く向こうに沈下橋見ながら行く船に乗っていると本当に時間を忘れてしまいそう。四万十川では、この舟母だけでなく屋形船もでたりしているよう。
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今日の宿は、オーベルジュ土佐山。山奥に現れるガラスと木を使ったモダンな建物は北欧建築を思わせ、それは部屋のデザインにも感じられる。木の香りが気持ちの良い部屋はシンプルな家具やソファと布団を使ったベッド、帯などが簡易のものでない浴衣(ちょっと面倒)など、北欧+和といった風情のもの。テレビがなく、B&Oのオーディオが置かれているところなんかも何もせず静かな時間を過ごすための工夫なのかもしれない。
料理は地元の土佐山の山や川の幸や高地近海の海の幸を使った和風料理で、どの品も丁寧かつ手が込んだお料理で適温で出してくれるのも嬉しく、どれも大変美味しかった。ちなみにこんな感じ。
その中でも個人的にかなり気に入ったのは、芋茎の白和えや、ホクホクな食感がたまらない赤芽芋(サトイモの一種らしい)の揚げ出し、柚子味噌との相性が抜群の湯葉巻き大根、そしてやっぱり鰹のたたき。実は、お昼にも「鰹の塩たたき」というのをいただいていて、こちらはよりシンプルで素朴な味付け。高知の鰹の食べ方は良いなと思う。
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温泉も気持ちが良い。ほんの少し黄褐色をしたお湯は冷泉を温めたもののようで、泉質は昨日の用井温泉と似ていて、ヒドロ炭酸イオンとナトリウムイオンがたくさん含まれるもの。ちょろちょろと足される源泉と思われる冷泉を舐めてみると、ほんの少し甘みがある。湯ざわりもそんな味に似て優しい感じ。なにより、広々と清潔感のある浴室、少し紅葉しかかったもみじを見ながらきりっと冷たい風に吹かれて入る露天風呂、それにサウナまであってまさに至れり尽くせり。
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朝食はシンプルな和食。お豆腐がなかなか面白く、ゴマ豆腐と豆腐を混ぜたような食感と味。わさびを落としていただくとろろ御飯も実に美味しい。それから、夕飯の時にも出てきたお茶。後味に不思議な甘さが残るお茶でとても美味しかったので、お土産として買えるかどうか聞いてみた。500グラム 2500円で販売していますというので、購入することにした。少々お待ちくださいと持ってきてくれたのは、とっても大きな紙袋。500グラムでこんな大きさになってしまうらしい。板の間に差し込む朝日がとても綺麗で、またそこから見える土佐山の段々畑の風景もとてもいい感じ。山奥にひっそりと佇むちょっとした隠れ家的な場所でなかなか気に入りました。
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大歩危・小歩危に向かう途中で国宝の薬師堂があるという看板を見つけて寄ってみることにした。国道から細く寂しい感じの山道を登ること 10分程度でその薬師堂のある豊楽寺に到着。残念ながら薬師堂の中は見れなかったものの、小さな板を何枚も重ねて作り出したように見える屋根がとても美しく印象的。
実は今回の薬師堂を見たときに、「国の重要文化財と国宝の違い」って何だろうってふと思い(恥ずかしい…)、ちょっと調べてみました。どうやら文化財の中で有形文化財に分類されるものの中で、特に重要と国から指定されたものが重要文化財であって、さらにその重要文化財の中で特に歴史的・芸術的・学術的に優れたものが国宝として指定されるのだそう。
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大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)は、歩くのが危険な渓谷というので付けられた地名なのだとか。斜めの柱状の岩と深いエメラルド色の川の流れが美しい渓谷。今年は紅葉がまだなのが少し残念。つなぎを使わないために、細くぽろぽろと切れてしまう名物の祖谷そばをいただいた後で、船に乗ってみることに。
深い谷のために、お昼を少しまわっただけで既に日が届かなくなっていて風が冷たい。上からみた斜めの柱状の岩は、船に迫りくるほど大きく感じる。また、色が思ったよりも白くその形状からも美しさを感じるもので、大歩危では斜めなのが小歩危に至るとそれが平行になるから面白い。川は浅い場所で 水深 1メートルを切り、深い場所では 20メートルを超えるのだそう。
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祖谷のかずら橋。祖谷川にかかるつり橋で、かずらを編んで作られたもの。想像していたのはもう少し「綱」のようなものを編んだものかと思っていたのだけれど、どちらかというと細い木を編んだというイメージが合う感じ。高いのが苦手な人には少々きつい橋で、人が渡ることでぎしぎし揺れるだけでなく、足を踏み外すと少なくとも足が「すぽっ」と抜けてしまう感じに幅がある。しょーもないおじさんが一生懸命橋を揺らしていた(笑)。
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紅葉を楽しみにしていた祖谷渓も今年は残念ながら少し遅れ気味だとかでまだまだ。それでも、この有名な小便小僧の立っている場所から見える V字型の深い谷は一見に値するって感じ。その昔、この難所を越えていった旅人達が度胸試しにこの岩から用を足したと言うのだからビックリ。下世話だが縮み上がって出るものも出なくなりそう…
そんな断崖絶壁に立つ宿、和の宿 ホテル祖谷温泉(楽天)が今日のお宿。ここの自慢は、山菜やあまごといった山の幸をふんだんに使った料理と、ケーブルカーで 200メートル近い断崖を降りていく露天風呂。「山里の恵み」と題された料理はこんな感じ。
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四国には天然自噴温泉が実は 2ヶ所しかなく、その一つは道後温泉でもう一つはここ祖谷温泉。祖谷温泉は源泉の温度が 39.1 度で、崖下にある露天風呂はコレをそのまま掛け流して使っていて、この時期は外気温が低いのもあって一度入ると外になかなか出られない。泉質は単純硫黄泉で、硫黄の香りがほんのりとするのと、炭酸のせいか強いぬるぬる感がある特色のあるお湯。内湯は加熱のためか循環させているためか、匂いもぬるぬる感も両方とも消えてしまっていてちょっと嬉しくない感じ。
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讃岐と言えばうどんはもちろん、こんぴら参りも。参道に入ると即座に記憶がよみがえってきた。倉敷に住んでいた子供の頃に何度かお参りしたことがあってなんとなくその雰囲気を覚えていたみたいだ。風情のある建物がいくつか、その一つ灸まん本舗で灸まんと羊羹のお茶セットでまだお参りもしていないのに一服。
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さて出発(笑)。土産物やが軒を連ねる階段をどんどんと上っていくと大門が見えてくる。そこの先には境内で唯一営業を許される五人百姓が、加美代飴と呼ばれるべっこう飴のようなものを売っている(なぜか、この日は四人だった)。
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更にどんどんと上っていくと見えてくる見事な建築物が旭社。この建物、どう見てもその上にある御本宮よりも立派に見えるもの。その御本宮のある場所からは、讃岐富士や讃岐平野の絶景が広がる。ココまで 785段 の石段を登ってくる必要があるのだけれど、その先さらに 600段ほど上った先には奥社がある(らしい)。また、土産物屋が並ぶ場所から大門までの 365段は、石段かごというのがあって籠に乗せてあがってもらうこともできるみたい。
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高松から船で直島へ。ちょうど夕暮れになる少し前の状態で、西日が海に金色の光を落とす向こうに瀬戸大橋や多くの船が見えるとても素晴らしい時間帯。直島は島全体において「自然・建築・アートの共生」をコンセプトにベネッセが中心になってアート活動を展開している場所。
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今日の宿ベネッセハウスミュージアムはその中核的な場所で、美術館と宿泊施設が融合したもの。島に到着し送迎バスでベネッセハウスミュージアムに到着すると、瀬戸大橋の向こうに落ちる夕陽を眺めながらウェルカムシャンパン。あっと言う間に落ちて空を赤く染める夕陽は本当に素晴らしいの一言。夕食をいただいた後は、観光客のいなくなった夜の美術館を独り占め。これほど静かな空間で見学できると作品がまた違って見えてくるような気がするから不思議(笑)。しかしソレはもしかすると宿泊する部屋から一歩でるだけで美術館という違和感によるものの方が大きいかもしれない。
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ミュージアムから小さなケーブルカーであがっていくとオーバルという宿泊棟がある。ここは、その名の通り楕円状に配置された部屋があって、その中心には楕円の池と空を楕円に切り出したような吹き抜けがある。夜には月と星空が見える形になっていて、それ自体が一つの作品になっているよう。ミュージアムとオーバルは子供連れでの宿泊ができないということもあってか、とても静か。オーバルには静かで小さなバーがあって、宿泊者だけが楽しむことが出来るということもあって、まさに隠れ家的な場所。
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翌朝にもオーバルにあがってみると、今度は水面に青空が映りこんでいる。昨夜と同じく静かではあるけれど、ぐっと雰囲気が変わるから不思議。ミュージアムの方に戻って、中にあるレストランで作品に囲まれながらの朝食。雰囲気の良さもさることながら味の方もかなり良い感じ。
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朝食の後は、散歩がてら海岸沿いに下りてみる。この日は、とにかく良く晴れていて少し汗ばむくらいの暖かさで散歩にはもってこい。ニキ・ド・サンファールによる原色が多用されたかわいらしくも不思議な作品(猫、像、らくだ、会話)が屋外に設置されるなかで、断トツに異彩を放つのが草間彌生の「南瓜」。砂浜にちょこっと飛び出した場所に「どん」と無造作に置かれている感じで、遠くからもそれとわかる例の水玉模様。
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地中美術館。建築の大部分がこんもりとした丘状の地中に作られたまさに地中の美術館。丘にいくつかの四角や三角の「穴」が空いているように見える航空写真のようなものを見たことがあるけれど、コレはまさに自然の光を地中に取り込むための吹き抜け。実はその下には、そこから取り入れられた光を間接照明として使うように作られた部屋があったりする。コンクリートの打ちっぱなしで直線的かつ簡素で一切の無駄を排したような建築は、安藤忠雄によるもの。
その建築だけでなく収蔵される作品もなかなか素晴らしいもの。まず、ウォルター・デ・マリアによる「タイム/タイムレス/ノー・タイム」。部屋の入り口に立つと、まず階段の先に花崗岩を磨き上げて作られた2メートル強もある球体に目を奪われる。そして、その真上の長方形状に切り取られた窓からは、光が差し込んでいて荘厳な雰囲気。壁には、金箔を施したシンプルな四角柱や三角柱の彫刻が配置されていて、球体が十字架なら教会と思うに違いない空間。
クロード・モネによる睡蓮も収蔵されている。スリッパに履き替えて展示室に入ると、作品が見えてくる前にまず目を奪われたのは 2センチ四方くらいに切り出された白い大理石のような石を敷き詰めて作られた床。この床は、この建物の大部分を占める打ちっぱなしのコンクリートの冷たい印象と対照的に、柔らかさや暖かさを伝えてくれる。そして天井の「穴」から取り込んだ自然光を間接照明として使った明るい展示室では、「睡蓮の池」「睡蓮」「睡蓮の池」「睡蓮 - 柳の反映」の モネの晩年の作品を見ることが出来る。
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ジェームズ・タレルによる「アフラム、ペール・ブルー」「オープン・フィールド」「オープン・スカイ」。「オープン・フィールド」は、直方体の一面に入り口があり、床がその対面の壁に至るよりも前に切れてしまっている感じの構成。この空間を歩き回ることが出来るのだけど、全面が白い壁面で作られていて、入り口の後ろから明るめなブラックライトで照らされるために全ての距離感を奪われてしまって、明るいのに暗闇にいるような不思議な感覚を味わうことができる。この美術館で何より気に入ったのが「オープン・スカイ」。やはり直方体の部屋に入ると、まず天井に正方形に切り取られた穴があってそこから真っ青な空を見ることができるようになっている。側面の壁は全面長椅子になっていて座ることができるのだけれど、背中をコンクリートにもたれかけると暖かく気持ちがいい。どうやら夜空の鑑賞もできるようになっていて暖房が入っているよう。言葉どおり「抜けるような青空」を見ながらココに座っていると心地よく眠くなってくる。