2006年05月09日

スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」

スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」
スエ在住の Kさんに頼まれた購入した、スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」を読ませてもらいました(笑)。最近よく話題になる Sustinable "持続可能" という言葉、これが全く違うコンテキストの元に日本とスウェーデンで使われていることがわかる本。

ここでは、少子高齢化の問題と環境問題が大きな二本立てで語られるのだけれど、この環境問題に対する両国の考え方の違いが説明されているところに興味があった。

筆者(この人は、スウェーデン大使館で環境関係のお仕事をされていたのだそう)は、環境問題というのは経済活動と表裏一体にあって、生産活動も消費活動も環境に負荷を与える活動であることを何度も説明している。この観点にたって、スウェーデンはこれまでの「人に優しい福祉国家」から、「生態学的に持続可能な社会(緑の福祉国家)への転換」を数十年単位のビジョンとして掲げている。つまり、資源が有限しかないことに立脚して生産・消費がもたらす結果を考え、持続可能な社会を作るには何が必要なのかを考え、教育を通して国民のコンセンサスをとり、強力なリーダーシップの元に政策を実行していく。筆者はまたこれを「予防的」とも言っている。

一方日本はといえば、「持続可能な経済成長」がビジョンとして掲げられているというのだ。そこには、ECO 的な活動も入っていて、生産現場を見直して環境負荷の少ないものづくりなども行われている。これらの新商品は新しい消費を生み出し、確かに一見して持続可能な経済成長が実現されているように見える。しかし、これは大量生産、大量消費を生み環境に大きな負荷をかけている。日本は、資源輸入国であって結果としてこれらの「持続可能に見える活動」は、資源供給国において大きな環境問題を起こし、また廃棄物という形で日本自身にも大きな環境負荷をかけている。そして、そのような問題が起こったときに、「ごみ問題をどうするか」「分別・大量リサイクル」のような技術が生み出されるというような、技術に立脚した「治療的」な側面があると筆者は言う。

なるほど、国の規模も違えば人も自然も違うので一概に言えたものではないのですが、この人が提言しているように、「スウェーデンが目指す社会」というのは全世界が今後抱えるであろう共通の問題に対する一つの方向性を示していて、これを参考にすることは悪いことではないはずというのには賛成。

Posted by thmiyake at 2006年05月09日 23:29

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Comments

遠路はるばる運び屋ありがとうございました。じっくり堪能できました。
技術者なんだから技術本に興味持てと怒られそうですが。

折りしも、ふとしたきっかけでスエ国のエネルギー政策を視察に来ようしてるあるシンクタンクの方から質問があって、いろいろ意見を伺ったので、更に興味深く読めました。

今のところ、老後の嗜みはスエーデン学に仮決定。30年先の話ですが^^

Posted by: ko@malmo at 2006年05月25日 18:23

スエ国ではお世話になりました。

まさか仕事以外で訪れるほどにこの国に興味を持つようになるとは思っても無かったけど、今回の旅行や、この手の本をみて、更にいろいろと知りたいと思う場所になりましたよ。

Posted by: みや at 2006年05月28日 01:44
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